« Spring Undergraduate Reading List | トップページ | 経団連規制改革推進部会 »

ITによる資産収益率の向上

旅館業法のことなどが、別所さんの記事がきっかけで話題になっていて、私も思うところあります。そこで、平成26年6月13日に自民党の情報産業振興議連で話をさせていただいた時のレジュメを皆様にもご覧いただきたくアップします。

===========================

今後のICTの動向~2020年、そしてその向こうへ~

1. 2020年をターゲットとして、日本に世界に誇れるICT利活用社会を作る。但し、それは「2020年後の世界」に対する解決を指し示すものにしなければならない。ICTの力で安心して暮らせて、活力もある長寿社会の姿を見せたい

2. ICTを成長に結びつけるために、新しいビジネスモデルを認知し、育てるべきである
・カーシェアなどに象徴される、(消費者が)所有せず利用するビジネスモデルが拡大する。産業側から見ればサービス産業
・背後にあるのが、全てのヒト、モノをつなぐネット。あるモノを何時、何処で、誰が、使っているかが把握できる。これによって、19世紀に大量生産大量販売経済が始まって以来の「匿名の消費者に対してモノの所有権(全面的支配権)を移転させて、対価として現金を受け取る」売り切りモデルから解放される。かわりに、モノの利便を、必要な時にだけ貸し出すライセンスモデルの合理性が高まる
・大局的に言えば、資産活用(資産収益率の拡大)がゴールとなる。持てる資産を多重活用して収益率を上げる。収益率の拡大がひいては投資の拡大につながるシナリオ。収益率が低い中で資本コストを下げることで投資を促す金融的手法にいつまでも頼るわけにいかない
・ヒト(人的資産)の活用も進めたい。人手不足の中で、子育て中の女性の在宅勤務などを進めたい。
・個人が持っている不動産をネットで貸し出すなどのサービスも活用したい。オリンピックの一時的宿泊需要を既存ホテルの更新に利用するのは良いが、中長期的に見込める需要以上にキャパを増大させると後からショックが来る。一時的超過需要はネットを活用した新しいホームステイモデルなどで満たしたいのでは?
・必要な規制改革を進めたい。対面原則など「外形」での規制をやめ、必要な要件でルールづくりを。「伝達すべきは伝達せよ」という規制なら生産的な話が始まる。「対面でなくてはダメ」という規制では非生産的な議論が続く

3. ゴールに向けて、安全と自由との矛盾を克服して、迷いなく情報化に邁進できるようにしたいし、できる
・基本はアクセスする個人を識別し「守られるべき人は守り、自己責任で自由に使いたい人は自由に使える」ネットの構築。識別子に対して属性を返す(例えばIDxxxの人は確かに18才以上であることを示す)基盤が必要。法律などで国による確認を求めるサービスに対しては国の責任でオンライン提供する

4. 成長戦略としても、安全保障政策としても世界を見据えたものとしたい
・つながる人が増えるほど価値が増大するネットワーク経済の中で、市場は確実にグローバル化する。ガラパゴスサービスは生き残れない
・オリンピックなどでも、世界の成長力を日本に呼び込む政策をとるべき。たとえば、アジアに育ちつつあるベンチャーにオリンピックの場で世界マーケットに出る道を作りたい。シリコンバレーにはない、インフラ連動型のサービスを試す機会を提供するなど
・インターネットのガバナンス問題などで、国家コントロールを主張する中国などと、自由な利用を主張する米国などの間で、激しいせめぎ合いが起こっている。情報を制するものが世界を制するという理解のもと、日本として国際ルールの形成にしっかり関与していきたい。

以上

|
|

« Spring Undergraduate Reading List | トップページ | 経団連規制改革推進部会 »

意見!」カテゴリの記事

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/531864/59901845

この記事へのトラックバック一覧です: ITによる資産収益率の向上:

« Spring Undergraduate Reading List | トップページ | 経団連規制改革推進部会 »