« 2013年2月 | トップページ | 2014年4月 »

「一般用医薬品のインターネット販売等の新たなルールに関する検討会」終了にあたって

 耳目を集めた薬のネット販売検討会が終わりました。

 事実上の解禁状態でネット販売が進行している中で、ルールづくりが急がれたのですが、「正しいネット販売のあり方」の議論ではなく、「ネット販売をさせるかしないか」の議論に終始してしまいました。ルールづくりがほとんど出来ずに終了してしまったことに、メンバーの一人として深い責任を感じています。

 このまま放置してはいけません。何より問題は、ルールがない状態で販売が継続することです。それは規制派はもちろんのこと、推進派も望んでいないことだろうと思います。安全なネット販売ができる環境づくりが、事業発展の礎となることを理解しているからです。

 この期に及んでは、政治判断で暫定ルールを入れていくしかないのだろうと思います。その想定のもとに指摘したいのは、検討会においても、ほぼ全てのメンバーが合意できていた重要な点がいくつかあったということです。私はそれらを実行するだけで、(ルールがないよりは)かなり安全性が高まるのだろうと思っています。例えば次です

(1) 有資格者がネット販売する場合には厚労省に届け出すること。
(2) 厚労省は届け出があった有資格のサイトを公表し、届け出なく営業している業者の特定を容易できるようにすること
(3) サイトには、販売の責任者たる薬剤師の氏名を明記すること。販売後も双方向に相談できる連絡先を用意すること。

 これらのことをやるだけで、違法に販売する事業者などを特定することが容易に特定できるようになります。正規事業者のリストが整備されれば、第三者機関による認証などが可能となり、消費者がより丁寧に説明責任を果たす優良事業者を見つけやすくなります。

 そのような、できることから、まず導入して、現在の無秩序状態を少しでも改善したいのではないでしょうか。

 焦点となっている、医薬品のリスク分類と、ネット販売を許容する範囲を関連づける件については、無理筋だと思っています。医薬品にはリスクの高いものと低いものがあって、それによって1類から3類までの分類がなされています。そして、リスクが高いものについては、使用者へのより丁寧な説明が必要だ、というところまでは、構成員のほぼ一致した見解です。しかし、リスク情報の伝達能力においてネットの方が低いという根拠ない思い込みに基づいて、リスクの高いものについてはネットはダメ、ということにしてしまうのは論理の飛躍です。
 対面を含む各種情報伝達メディアに、得意、不得意があることは事実です。しかし、ネットだから説明能力が低いと一律に断じてしまうと、話がおかしくなってしまいます。他のお客が待っているのを気にしながら、口頭で説明を受ける対面方式よりも、さまざまなサイトを検索しながら、説明をじっくり検討できるネットの方が情報伝達手段として有効と考える方がむしろ自然でしょう。ですから、リスク分類とネット販売可否を直接結び付ける手法でルール化をしようとすると、また訴訟-違憲判決-ルール欠如状態、というサイクルを繰り返すことになると思います。そんなことをしては、不毛な以上に無責任です。

 より現実的な安全ルールを急いで導入しましょう。

| | トラックバック (0)
|

« 2013年2月 | トップページ | 2014年4月 »